低温とリチウムイオンバッテリー
プリウスが出始めの頃、暖房を使うと燃費が極端に悪化するという噂があった。これは、効率が悪い領域ではなるべくエンジンを回さないという思想と、従来のエンジン排熱を利用する暖房が相反するためで、電熱ヒーターが追加されたりして対策されてきたと聞いている。 ところで、ここ数日の寒波による降雪で、新名神高速道路などでは車の立ち往生が発生した。こんなときBEVで気になるのが、暖房使用によるバッテリー切れである。 結論から言うと、BEVではこうした立ち往生の場合には普通の暖房(エアコン)は常時使用するべきではない。 電気自動車での安全な防寒対策を検証 上記の記事の条件だと、8~9時間程度で走行不能になる可能性がある。ガソリン車なら燃料が切れても10L程度補給すればすぐに復活して最寄りのガソリンスタンドまで行けるが、BEVになると充電のできる場所まで何とか運んで、長時間かけて充電しなければならない。 さらに低温時のリチウムイオンバッテリーについては、大きく2つの問題がある。放電特性と急速充電時の劣化である。 低温時にリチウムイオンバッテリーの容量が一時的に減少することは、スキー場などでスマホが突然バッテリー切れになるような体験をした人ならご存知だろう。これはBEVのリチウムイオンバッテリーとて例外ではない。 次に低温時に急速充電した場合には、リチウム金属の電析が起こり急激な劣化が起こる場合がある。なので車両側でバッテリー温度を監視し、低温の場合には充電出力を絞る(急速充電しない)などの制御が行われる。つまり、長い充電時間がさらに長くなる傾向になる。 BEVで冬場に長距離ドライブするなら、低消費電力の暖房器具を携行し、余裕を持ったタイミングで充電し、何ならポータブル電源も準備し、万一の電欠時にEV充電ロードサービスが付帯した保険に加入しておくなどの万全の準備をしておくべきだろう。